リハ難民ゼロ社会を目指して
リハ難民とは、退院後も必要なリハビリテーションを十分に受けられなくなってしまった方々を指しています。
これは疾患別リハビリテーションの日数制限の導入(2006年)、回復期リハビリテーション病棟の入院期間上限が90日から60日へ短縮(2012年)、外来での維持期リハビリテーションの継続の廃止(2018年)などの医療制度改定が行われた結果、筋力や運動機能、日常生活での動作などに回復の余地がある方々が、自宅への退院後に必要なリハビリテーションの機会を失っていることから生まれた概念です。
2000年に誕生した介護保険の導入で、自宅や地域でリハビリテーションを受けることが可能になりましたが、2021年の介護保険改定で『科学的根拠に基づいた介護の推進』が明記されたことから、未だリハビリテーション難民問題は解決されていないと言えます。
その証として、要支援から軽度の要介護認定者の悪化が増えて、平均寿命と健康寿命の格差、いわゆる『介護を受ける期間』は約男性8.5年、女性11.6年(2022年データ)と依然として大きいままです。
「仕事や学業に戻りたい、外食や旅行など自分のしたいことができるだろうか?」
このような生活課題の軽減あるいは改善には、当事者と一緒に取り組む姿勢(Narrative Based)が求められる。同時に、その人の持つ主観的な不安を払拭する科学的根拠に基づいた評価と介入が必要です。
私は『救活』という造語を広めたいと積極的に使っています
救活とは、体重やBMIでは分からない、体の水分・筋肉・脂肪・骨などの体組成の変化を「見える化」することで、心身機能の現状維持、あるいは将来起こりうる疾病や外傷、要介護状態を遠ざけ、起きても軽く済む健康増進運動に繋がり、その個人の生活や活動における「したい」を末長く叶える運動と栄養に関する助言・指導・支援のこと
一人一人のレジリエンスを高めるという意味を込めて定義を作りました。
体組成測定は、体水分の分布・体脂肪や骨ミネラルの他に、人の運動や動作の源となる筋肉を力・量・質の視点から評価します。
その結果に基づいた、理学療法士による効果的な運動と栄養を科学的にアドバイスすることが、『三方よし』のまちづくりに貢献できる健康増進や予防事業となるよう取り組んでいこうと考えております。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました
☝️私の頭の中を図示したものです